夜シネマ「ソラニン」

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こんばんは、「東京で生きる女」mt! です。

先日は台風が私の住む地域にもやってきて、夜中警報のアラームが鳴っていました。
おかげさまで寝不足でしたが、台風一過の湿度の高い晴れた翌日の空気が結構好きです。

さて、今回ご紹介するのは「ソラニン」です。
夜シネは基本的に夜にぴったりの映画をご紹介するコーナーなのですが、「ソラニン」は例外です。
仕事や学校を休んだ昼下がりにぜひみてほしい、観終わったらスーパーで買い物をしてしっかりとご飯を食べてほしい
今回はそういうわがままな思いで書いていますので、暖かい目で読んでいただけると幸いです……。

「ソラニン」は浅野いにおさんの漫画を原作に2010年に公開された映画です。
監督は三木孝浩さん、主演は宮崎あおいさんと高良健吾さんが務めました。

 

(ここからはネタバレ注意です)

自由を求めて会社を辞めた芽衣子(宮崎あおい)と、フリーターをしながらバンドを続ける種田(高良健吾)。
日々の生活に息苦しさを感じながら、未来に確信が持てないまま、それでも寄り添いながら東京で暮らすふたり。
ある日の芽衣子の発言をきっかけに、種田はあきらめかけていた想いを繋ぐことを決意する。
種田はバンド「ROTTI(ロッチ)」のメンバーと「ソラニン」を完成させレコード会社に持ち込むが、夢に描いた反応はないまま日々は過ぎていく。そしてある日、種田はバイクで事故に遭い芽衣子はひとりになってしまう。

 

というあらすじになっているのですが…
正直なところ、観てほしい部分が文字では伝えられないのです。

ええ、わかっています。文章として致命的ですよね……。
でも、わたしが伝えたいのは文字では伝えきれない魅力が詰まっているということなんです。

夏場のボートから見える夕日の赤さとか、帰り道のどこかの家の夕飯の匂いとか、堤防から見える野球少年たちの砂埃とか
きっと多くの人が知ってる景色や感情や風や匂いや温度が、この映画には詰まってると思うんです。

人を傷つけたり、人に傷つけられたり、ふとした瞬間に何となく心細くなる時、こういう気持ちに寄り添う映画を観て何となくでいいから、明日も生きていこうと思える人が増えたらいいなと思うんです。

「種田は好きな音楽で誰かに批判されるのが怖いんだよ。評価されて初めて価値が出るんじゃん!それで本当にダメだと思ったら…」
「そしたらどうしてくれんの?一緒にしんでくれんの?」

憧れたままでなかなか夢に踏み出さない種田に、芽衣子がしびれを切らすシーンの会話の一部です。
ソラニンを初めて観たのは高校生の頃だったのですが「おいおい、種田さん極端すぎるでしょうよ…」と当時は呆れましたね。
でも、年を重ねるに連れて何となく種田の気持ちもわかるようになった気がするんですよ。

夢とか、好きなこととか、現実的に生活していく上で口に出せなくなっちゃったりする
本気で目指していたり、本気で叶えたかったことだったりすると、その想いを繋げていない今と向き合うのが辛くて、
でも、だからと言って誰のせいにも出来るはずはなくて、今の自分が不甲斐なくて消えてしまいたくなったりする

全然いけないことじゃないのに、自分で自分の首を締めちゃってるんですよね。
だから、芽衣子の前から居なくなった種田は弱くて優しくて、夢を夢のままにすることが本当に辛かったんだろうなと思います。

確か漫画の原作にも書いてあったんですけど「ソラニン」って本当はジャガイモの芽の毒のことをいうんですよ。
ジャガイモって少し放っておくと、簡単に芽が出て、摘み取らないとどんどん育って食べられなくなってしまう。
そういう芽の毒みたいに、私たちの生活にも毒はあって、その毒を知らないふりや見ないふりばかりしてると、後戻り出来なくなってしまうんだと思います。

この作品の主題歌となっている「ソラニン」はASIAN KUNG-FU GENERATIONが書き下ろし提供しています。
作中では芽衣子が種田の代わりにROTTIで「ソラニン」を歌うのですが、そのライブシーンの独特な空気感は実際にバンドを経験していた身からすると、すごくリアルでぐっときてしまう見所のシーンのひとつです!

さらに「ソラニン」の歌詞も二人のこと、過去と未来の自分自身を表しているように感じて、聞くたびに何となく深呼吸してしまいます。
気になる方はぜひ、聞いてみてください。(おすすめは多摩川の河川敷を散歩しながらです)

例えばゆるい幸せがだらっと続いたとしても、自分が大切にしたいと思うことを離さずに抱えていればきっと大丈夫だと思いたい。
別れが訪れても、頑張れない日が続いても、きっとまたどこかでどうにかやれるさと思いながら生きていたいなと思います。

さて、美味しいご飯を食べて明日にでも備えましょう。
それでは、おやすみなさい。

 

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