夜シネマ「アデル、ブルーは熱い色」

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こんばんは、「東京で生きる女」mt!です。

 

「一度でいいから髪をバッサリ切ってブルーに染めてみたい」
人生に偶然はないと微笑むエマに惹かれたのは私だけではないはず。

 

今夜紹介する夜シネマは「アデル、ブルーは熱い色」です。

原作はJulie Maroh(ジュリーマロ)の「Le blue best une couleur chaude(ブルーは熱い色)」で、主演はAdele Exarrchopoulos(アデルエグザルホプロス)とLea Seydoux(レアセドゥ)です。

この作品は、カンヌ映画祭では監督のAbdellatif Kechiche(アブデラディフケシシュ)だけではなく、主演を務めた二人の素晴らしい女優にもパルムドールが贈られました。
パルムドールとはカンヌ国際映画祭における最高賞のことです。
きっと、性の垣根を越えた愛の形はきっと多くの人の心を震わせたのでしょう。

 

(ここからはネタバレを含みますのでご注意ください)

 

アデルが演じるのは教師を夢見る高校生の「アデル」、レアが演じるのは青髪の若き画家「エマ」。
【偶然】すれ違った交差点から、【偶然】行き着いたレズビアンバーで知り合う二人。
「どうしてここへ?」と質問するエマに対して【偶然】だと目を逸らすアデル。
そんなアデルをまっすぐと見つめながら「人生に偶然はないよ」と微笑みかけるエマ。
二人の距離は必然的に縮まり、愛し合うようになる。

しかし生まれた環境も違えば、両親の子に対する理解も違う。
それぞれが思い描く夢や理想、愛の形さえも異なることを知り、二人の気持ちは徐々にすれ違っていってしまう。

別れの決定打は、アデルが寂しさを理由に別のパートナー(男性)を作ったこと。エマはアデルを売春婦だと罵倒し、泣き叫びながら謝り続けるアデルを家から追い出す。

別れてからの日々は、アデルがなりたくなかった退屈な教師へと近づいていく時間だった。
そんな日々の中で、アデルはエマの美術展へと招待される。
出会った頃を思い出すように、愛しい日々を抱えるように、アデルはブルーのドレスを身に纏ってそこへ向かう。
しかし、美術展でアデルを向かえたエマはあの頃の青髪でなく、柔らかく眩しいブロンドになっていた。そして、エマの作品に描かれていたのはアデルではなく、新しい女性の姿だった。

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うん、切ない。これ、本当に切ないです。
でもなんだか癖になる、スルメみたいな映画だと勝手に思っています。

この作品で私が特に注目して欲しいポイントは二つあります。

まず一つ目は、食事のシーン。
とにかく食事のシーンが多い。特にアデルが食事するシーンが目立ちます。
なんと、アデル役のオーディション内容は食事することだったらしく、アデル役を務めたアデルは卑しい食べ方が評価され、主演の座を勝ち取りました。
それくらいにアデルが「食べる」シーンはこの作品において必要不可欠だったと考えられます。
また食べるシーンと同じく性的描写が多く、アデルが貪欲に食事する部分と貪欲にエマの愛を求める部分は通ずるものがあります。

クチャクチャと音を鳴らし口の周りにソースを付けながら、ミートスパゲティを食べたり、泣きながらチョコレートをかき込んだり、観ていて決して気持ちのいい食べ方ではないのに、なぜか目が離せなくなってしまうのです。

そして二つ目は、色の移り変わりについて。
ボサボサの髪をお団子に結ったアデルは黒や茶と地味な色の服装ですが、一方で出会った頃のエマは鮮やかな美しい青髪です。

エマは野心的で夢があり、彼女の周りには個性を尊重する人々が多く集まります。
鮮やかな色がいつも彼女を取り囲み、彼女はそれを受け入れています。
しかし、アデルは自分の容姿に関心も自信もありません。
彼女の両親はアデルを愛してはいますが、所謂ステレオタイプで堅実に生きることを彼女に願います。
家の中は薄暗く、使われる色は少ない。鮮やかなのは食事くらいです。

そんな二人が出会い、愛を育んでいくシーンでは、エマの色にアデルが染まっていくように鮮やかな色で溢れます。
木漏れ陽に透けた二人の髪色や、顔の産毛をみていると思わず触れたくなってしまう。
しかし、物語が終わりに近づいていくに連れて、エマに色はなくなり、最後の美術展のシーンでは、アデルの知らない色に染まったエマが現れます。
色がよく感情を伝えるのは有名ですが、この作品の色の使い方は本当にお洒落で、残酷だから面白い。
青い海に浮かぶアデルの姿はエマの愛を求める姿そのもので、純粋で貪欲で可愛くて仕方がない。

また、この作品は終わりのない終わり方をしているためか「あれ?これで終わり?」とエンディングで拍子抜けしたという声も多いそうです。

だけど、これって限りなく現実的だと思うんですよ。

愛が生まれて、愛と別れても、人生は続いていく。
どんなに辛くても生きてる限り明日は来るわけで、人生は容赦を知りません

私もドラマチックに生きていたいと思いながら、今月も給与明細にうなだれます。

 

それでは、おやすみなさい。

 

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